旅するワセ女🎓

大学生の名を借りて好きなことやってます

「日本人は〜だからww」 って何でもすぐ言う人へ

こんにちは!

 

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突然ですが問題です💡

 

『日本人』といったら、何を思い浮かべますか?

 

勤勉? 大人しい? 和を尊ぶ?

 

 

これは私が留学中に気になったことランキングNo.1

 

 

『日本人て、なんだろう』

 

 

はっきり答えられる人がいたら教えてください。

 

 

 

今までは、色んな国を旅をしたいから海外にばかり目が向いていたけど

 

 

異国で自分がいざ外国人である環境に身を置くと

 

 

あれ... 自分のアイデンティティである日本人て、何だろう?

 

どんな風に見られてるんだろう?

 

 

って。

 

 

 

帰国してすぐにゼミの課題で1万字論文があったので

 

日本人の国民性について調べてみる事に。

 

 

「日本人とは何なのか研究する日本人論」

 

と言っても、歴史的・地理的な背景が複雑に絡み合って、私たちの国民性は作られている訳で

 

日本人を語るには、とても1万字には収められなかった...

 

 

ということで今回は日本人論の中の一部であり、物議を醸している

 

「日本人は本当に集団主義であるか?」

 

をテーマとしました!

 

 

この論文がゼミ内でかなり評判良かったので、

 

内容を簡潔にまとめて共有してみます。

 

 

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「日本人は集団的だ。」

 

って誰もが一度は聞いたことあるセリフなのでは?

 

コレを読んでくれてる人も、

 

『集団的だよね!』  って思ってる人もいるし

 

『いや、わたしは個人主義だけど。』って意見が分かれるかと。

 

 

でも実は世界から見ても、日本は集団主義と認識されてます。

 

 

ここでいう集団主義は、

 

個人よりも集団を優先する

 

・個性がない、みんな似てる

 

・集団の和を乱すものは排除される etc...

 

 

残念なことに、集団主義は負のイメージの方が多い。

 

このイメージによって、日本が大きな損害を被ったことも。(1980年代日米貿易摩擦)

 

 

一体なぜ、 日本が負のイメージである集団主義と呼ばれているのか?

 

もし集団主義でなかったとしても、ここまで認識が広がってしまった原因は何か?

 

 

 

それには主に4つの理由がありました。

 

1. 個人主義を主張する<欧米> と、第二次世界大戦中対立していたため、逆の負のレッテルを貼られやすかった。

 

2. 日本の戦時中の徹底的な軍国主義 について外国人が書いた本が爆発的に売れた。(ルース・ベネディクト菊と刀』)

 

3. 日清日露戦争で日本が勝利したのは、日本人が集団で活躍したからだよ!やったね!と書いた本がかなり売れた。(芳賀矢一『国民性十論』)

 

4. そもそも人間は、認識に合わせて行動を変える場合がある。

つまり、日本人は集団主義だと思うことで、集団的な行動を引き起こしてしまう。

 

ざっくり言うとこんな感じ。

 

やっぱり戦争中のイメージが大きいのかも。

 

 

これまでたくさんの学者さん達が、いろんな方法で日本人の集団主義について実験をしてきました。

 

私は論文内で、高野陽太郎・纓坂 英子さんによる共同研究を主に取り上げましたが、

 

彼らは世界一個人主義だと言われているアメリカ人と比較した実験を紹介しています。

 

ここでは詳しく取り上げないので、調査が気になる人はお名前をググってみてね。

 

 

他にも、言語学経済学教育学から日本人集団主義説を検証してみた結果、

 

 

分かったことがあります。

 

 

それは、

 

結構無理やり結びつけてるな?

ってこと。

 

 

日本人はどの国よりも集団主義だー!!!

とは全くいえない。

 

 

まず戦争中にみんなで力を合わせようと集団的になるのは、日本だけなのか?

 

 

『日本のいじめは集団から特定の誰かを排除する集団的なものであり、

これは日本が集団主義だと言わざるをえない!』

という意見もありますが

 

いやいや、いじめは日本だけなんでしょうか?わたし違う国でも見たことあるけど。

 

と反論したくなるものもある。

 

 

また、実験で日本人は集団主義ではないと結果が出たものに対し、

 

 『こういう実験は正しい答えがきちんと出ないんだよね』

 

とおっしゃる方もいる。

 

 

うーん

 

星の数ほどある研究の中で、一体どの学者の研究が"正解"で"間違い"なのか...

 

 

でも、一ついうならば

 

国民性どうこうより、その人を取り巻く状況や属している集団によって

 

結果は全く変わるということです。

 

例えば、

 

文化系サークルと運動部に入っている人で、同じ日本人でも結果は全く違うし、(運動部の方が同調性、協力性が高く集団的だった)

 

 どんなに個人主義アメリカ人でも、規律が厳しい軍隊に入ったら上下関係の中で集団主義になるだろうと。

 

授業中は他の学生の為にも、静かにしなきゃいけない学生が自分の楽しさのために喋り続ける日本人学生もいる。

 

 

なんなら、真逆の〈日本人が個人主義〈欧米が集団主義だというエピソードも調べれば山ほどあります。

 

(日本のスポーツは相撲や弓道個人競技が多いのに比べ、欧米では野球やサッカーの集団スポーツが多いなど)

 

 

断片的なエピソードを、一億を超える人口の国民性と結びつけることは難しい。

 

 

とは言え、これが分かっていても

 

『日本人は集団主義だ。』

 

というレッテルはなかなか取れないでしょうね。

 

でも実際日本の経営が集団主義であるという理由をつけられ莫大な損害を被ってます。

 

 

大事なことは

 

『あの国の人はどうせ〜だろう』

 

とか

 

『友達が言うんだから、あの人は〜なんでしょ?』

 

そういった安易な認識

 

どんどん軋轢を生む。

 

  

アメリカ人だって、『世界一個人主義だ』 と言われているけれど、

 

アメリカ独立の経緯当時の環境 が彼らをそうさせたのであって、あくまでも結果論なのです。

 

 

隣の友達がおしゃべりでうるさいのも

先輩が意地悪してくるのも

親がイライラしてるのも

 

その人を取り巻く環境や状況がそうさせているのかも。

 

そしたら考えることは、変わってきますね?!

 

 

 

さあ!!

 

今日からはいつも笑顔で元気が溢れている友達から

 

おこぼれを全力でもらいに行きましょう!!!

 

 

その人からハッピーを貰うのです。

 

そして、今度はあなたがハッピーを周りの人間に分け与えてあげる。

 

常にイライラマン や 悲しんでる人 も

 

きっとあなたにつられて少しずつ笑顔になるぞよい。

 

 

以上、しくじり先生パロディ講座でした!!

 

面白かったかな?

 

 

 

<参考文献>

高野陽太郎(2008)『「集団主義」という錯覚』、新曜社

開發 孝次郎 (1999)「日本異質論ー日本の企業ー」

ルース・ベネディクト(長谷川松治訳) (2005)菊と刀』、講談社学術文庫

土居健郎(1971)『「甘え」の構造』、弘文堂

・中根千枝(1967)『タテ社会の人間関係』、講談社現代新書

・南博(2006)『日本人論ー明治から今日まで』、岩波書店

・遠山淳・中村生雄・佐藤弘夫(2009)『日本文化論キーワード』、有斐閣

・與那覇(2003)『日本人はなぜ存在するか』、集英社

芳賀矢一(1907)『国民性十論』、富山房

トクヴィル, アレクシス・ド(井伊玄太郎訳)(1987)アメリカの民主政治』、  講談社学術文庫

高野陽太郎・纓坂 英子(1997)「”日本人の集団主義"アメリカ人の個人主義"  通説の再検討」

北山忍(1999)「文化と心についてのみのりあるダイアローグに向けてー高野・纓坂(1997)論文の意義と問題」『認知科学6(1).106-114.

Williams, T. P. & Sogon, S. (1984) “Group composition and conforming behavior in Japanese students. “ Japanese Psychological Research, 26, 231-234.

Takano, Y. & Sogon, S. (2008) “Are Japanese more collectivistic than Americans?: Examining conformity in in-groups and the reference-group effect.” Journal of Cross-Cultural Psychology, 39, 237-250.

・廣瀬幸生・長谷川葉子(2010)『日本語から見た日本人主体性の言語学』、開拓社

・ジェームズ・C・アベグレン(山岡洋一) (2018)『日本の経営』、日本経済新聞出版社

小池和男(1991)『仕事の経済学(第三版)』、東洋経済新報社

・電機労連(1988)『調査時報No.232

朝日新聞19901123日付朝刊

朝日新聞200267日付夕刊

・森田洋司(1998)『世界のいじめー各国の現状と取り組み』、金子書房

・日本聖書年研究所(1985)「特集日米中学生調査」『ニュースレター』第9号 pp.69-75